実地レポ

環境:iPhone3GS + iOS 4.3.3 + SIMなし + 脱獄
場所:多摩川 (川崎側)
   京急大師線 港町駅鈴木町駅の中間。
   味の素工場付近。
多摩川の土手を歩いてみた。写真に指が入ってしまったのはご愛嬌である。各種地図アプリの使用感は。


■1.MapFan for iPhone Ver.1.4

・表示モード  :3モード
 (→現在地追従を停止/現在地追従を開始/ヘディングアップを開始)
・ピンチ操作  :可
・地図詳細度  :民家の建物が見えるレベル
・オフライン検索:住所、駅名のみ
・評価     :★★★★★
表示モードの切替は左下アイコンのタップにて行う。デフォルトは現在地追従を停止。地図内を移動する時(他の場所を見る時)は、自動的にこの停止モードとなる。他の場所を見ている時に現在地追従モードでロックされたままだと、地図が現在地に戻されてしまうため。現在地追従やヘディングアップについては言葉の通り。個人的には、ノースアップ表示モードをUIに組み込んでもらいたかったな。
ピンチ操作とは、二本指で広げて拡大表示させたり(ピンチアウト)、二本指で絞って縮小表示させたり(ピンチイン)、あの操作のことである。タッチデバイスの特性を最大限生かした操作法だと個人的には思っている。MapFanのピンチ操作は滑らかで、飛ぶ事がない。優れたUIだ、と思う。
総論として、MapFan for iPhoneは圧倒的な安定感を誇る。電子コンパスによって歩く方向を補足し、ヘディングアップ表示によって実際に見ている方向と地図のズレが全く無い。他のアプリと比べて唯一欠点と言えるのは、「味の素工場」というランドマーク表示ができない点か。土手を歩く人にとっては超有名所なのですが。近くを歩くと科学臭というか何というか変なニオイがする所なのですが。まあ看過しても問題ないか。徒歩ナビとしては、ハイキングや登山。長距離の散歩など。街中でお店を探すという使用法には向かないが、ひたすら歩く人には最強のマップと言えそうだ。



■2.navico 全国詳細地図版 Ver.1.5

・表示モード  :3モード
 (→ノースアップ/ヘディングアップ/バードビュー)
・ピンチ操作  :可
・地図詳細度  :民家の建物が見えるレベル
・オフライン検索:住所、駅名のみ
・評価     :★★★★★
表示モードの切替はコンパスのタップにて行う。デフォルトはN(ノースアップ)。紙地図と一緒で上が北となる。ヘディングアップとは進行方向を上として表示法である。バードビューとは、斜め上から地平線までを見せる表示法。カーナビ機能を使用時、ドライバーに先の方まで把握させるのにその威力を発揮する。コンパスとは別に、左下アイコンをタップすれば現在地表示となる。この辺のUIはMapfanよりnavicoの方が好きだ。
ピンチ操作もできるが、navicoでは少しカクカクした動きをする。拡大/縮小時の遷移時に少し飛ぶような感じがするのだ。たとえば区役所の詳細表示を見たくてピンチインしても、区役所が中央位置に来ないで拡大表示されてしまうのだ。画面の外に出てしまい迷子になることもある。同様にスワイプ操作で他の場所を見る時も、地図が滑らかにすべるというよりは、ぎこちなく遷移していく感じがする。とは言え。比較対象として、カーナビの老舗SANYOのPNDを持っていたんだよね。機種はGORILLA Lite NV-LB60DT。これも似たようなカクカク感があったと記憶している。カーナビアプリ特有の動きなのかもしれないし、標準アップやMapFanの操作性が優れすぎているのかもしれない。どちらかは定かではない。
スナップショットはしくじってしまった。本来は現在地表示+ヘディングアップをさせるはずだったのですが。この点で少し気になる点がある。iPhone3GS + 3G回線圏外 + WiFi圏外では徒歩の進行方向を検知せず、ヘディングアップしてくれないのだ。これについては後段で詳述することにする。
前回レビューでも書いたことだが、navico最大の売りはその強力なオフライン検索機能にある。「動物園」「エスパ」といった任意の検索語に対しても、しっかり洗い出してくれる。街中でお店を探すという使用法がオフラインで実現できてしまうのだ。



■3.xGPS Ver1.2.10

・表示モード  :ノースアップのみ
・ピンチ操作  :不可
・地図詳細度  :Google Maps Zoom Level 17
・オフライン検索:不可
・評価     :★★
脱獄界では主流のアプリ。地図マニヤンにとってGoogle Mapsは神様であり、その神様をオフラインで使っちゃおうという意欲作である。あんだって? あたしゃ紙じゃないよ! 神様だヨ!!
標準マップ(Google Maps)ではヘッディングアップ表示が可能だし、ピンチ操作ももちろん可能である。地図の詳細表示も他アプリを凌駕し、生活道路の太さから民家の輪郭までくっきり見える(Zoom Level 19)。iPhoneの小さい画面では、そこまで必要ないんだけどね。
xGPSは一切の機能を斬り捨てているため、やはり他アプリと比較すれば見劣りがする。無料という点では、コストパフォーマンスが抜群。でもGoogle Mapsをオフラインで使用したいのなら、個人的にはGalileo Offline Maps + 有料アドオンをお奨めしているんだけどね。Galileoと比較し唯一優れていると思えるのが、コンパクトな設計思想。Zoom Level 18/19をバッサリ斬り捨てる覚悟で組まれたUIなので、キビキビ動いてくれます。Galileoは18/19を斬り捨てて取り込むと、ちょっと見づらくなったり。

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☆特記事項:navicoのヘディングアップ機能
□1.進行方向の検知
土手を歩いていて不思議に思ったのは、navicoの挙動。仕様では、ヘディングアップ機能がある。ところが一向に進行方向を検知してくれないのだ。進行方向を上にして表示してくれるはずなのに、地図はなぜかノースアップ状態のまま。不思議に思い、手持ちのiPhone4でも試してみた。以下がその比較画像である。

iPhone4では正しく表示(ヘディングアップ)してくれるのだ。なぜ3GSではヘディングアップできないのだろう? GPSの受信度は、iPhone4では星三つ(★★★)だが、iPhone3GSでは星一つ(★☆☆)。これは、3G回線の有無が影響している気がする。また、iPhone4では進行方向を示す三角マークだが、iPhone3GSでは丸マークのまま。進行方向を検知できていない。カーナビソフト専用だから、徒歩のスピードでは検知困難なのだろうか? (Mapfanでは3GSでも進行方向を検知できている)


□2.静止時の方向検知 (電子コンパス機能との連動)

上は川崎大師(平原寺)境内にある池のほとりで休んでいる時に撮ったもの。歩行を止めた静止状態という条件下で行ったテスト表示。iPhone3GSではノースアップ表示されたまま。iPhone4は電子コンパス機能と連動させてヘディングアップ表示させよう、とがんばっている所。うーん。これだけ見ると分かりづらいんだけどね。「池に面して」座っているんですよ。iPhone4は頑張っている。それは認める。けど、ちょっと左手を向いちゃっているような? あれ? 左に座っていた相方とおしゃべりしながらスナップショットを撮ったんだっけ? 今となってはよくわからなくなっちゃたヨ!!



おまけというか何というか。驚異的なのはMapFan。上は明長寺横の自動販売機で缶ジュースを買った時。せわしくスナップショップをとったもの。ちょっと分かりづらいが、両方とも方向を正しく示している。3GSでは完全オフライン状態(3G/Wi-Fiとも圏外)なのに、ちゃんと方向を示しちゃうんだよね。しかも、歩いていません。静止状態なのです。これはiPhone本体の電子コンパス機能と連動させていると考えていいね。3GSの現在地捕捉が甘いのはご愛嬌。だって。にんげんだもの(あいだみつお)。完全オフラインなんだもん。歩けば何とかなるさ(あいだもも)。

余談ですが、iPhoneでスナップショットを撮った時、保存される画像ファイルのサイズが違います。クリックしてみるとわかる(ブラウザクラッシャー機能絶賛搭載中)。iPhone4の方がデカイです。同じiPhoneという名でも3GSと4とでは全くの別物なのだ、と改めて実感した次第であり。例えば上記MapFanのスナップショット、ファイルサイズでも以下の相違が見られます。

  • Filename.PNG 165 KB (169,830 バイト):iPhone3GS
  • Filename.PNG 544 KB (557,128 バイト):iPhone4
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☆総括:徒歩での閲覧モード使用では
■1.Mapfanが最強
 完全オフライン環境(3G/Wi-Fiとも圏外)でGPSを補足し、電子コンパス機能と連動し方向を指し示す。地図も綺麗。スワイプやピンチイン/アウトの操作による画面遷移も滑らか。文句のつけどころがないね。欲を言えば、ノースアップ表示のUIを組み込んで欲しいところではある。さらに基本コンセプトを崩すレベルで言えば、オフライン検索機能を強化して欲しい。これさえあれば、市販のPND機を駆逐できちゃうんじゃないか、とすら思えちゃう。もう信者と呼んでくれちゃっていいよ。俺はマップファンファンです。(パンダの名前みたいだ)

■2.navicoは要検証
先に言っておくと、このコはカーナビ専用機ナノデス。それなのに地図マニヤの薄汚いエゴから標準アプリの代わりをせよ、と押し付けている次第であり。本来のカーナビを目的とした使用なら、また違った貌を見せるかもしれない。とフォローをしておこう。
navicoで気になったのは、3GSにおいてヘディングアップ表示ができなかった点。機種由来でそうなったのか。それとも3G回線によるA-GPSがなければ方向を搾り出すのはしんどいのか。この辺を洗い出したい所ではあるね。検証課題として以下を洗い出しておこう。

  • iPhone4で3G回線を切った時でも、正しくヘディングアップできるのか?
  • iPhone3GSでバイクにマウントした時、正しくナビゲートできるのか?

■3.xGPS
うーん。上の2アプリが圧巻すぎて、やはり見劣りしてしまうね。Galileoの検証次第では、xGPSを手放す可能性もアリ。


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(追記)
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iTunes内では文章をコピー&ペーストできないため、Print Screen。
SIMなしで運用している人が自分以外もいて驚いた。「WiFIオンリー」「車に搭載して実走行」ということは、Pocket Wi-FIでの運用なんだろうね。きっと。奇しくも、iPhone3GS+SIMなしでノースアップ固定されてしまうという現象が自分のとかぶる。期間限定の400円引きセールをやっているので、購入する事にしたよ。これも検証対象に入れてみよう。